徳島県阿南市にある「お松大権現(おまつだいごんげん)」へ行ってきました。こちらの神社では、お松さんという女性と飼い猫が神さまとしてお祀りされています。
招き猫だらけ、猫だらけの神社で、徳島では「猫神さん」と呼ばれて親しまれているんですよ。
猫が神さまとしてお祀りされている、全国でも珍しい神社。その由来やアクセス方法をご紹介します。お松大権現では、御朱印もいただけますよ。
お松大権現へのアクセスと駐車場情報
〒771-5173
徳島県阿南市加茂町不け64?1
お松大権現がある徳島県阿南市加茂町は、徳島市の中心部から車で40分くらいのところにあります。途中、いくつか看板があるので場所はわかりやすいですが、看板では「お松権現」となっています。
お松大権現の駐車場
神社の前に無料で利用できる10台分くらいの駐車場があります。参拝客が多い受験シーズン以外なら、問題なく停められますよ。神社前がいっぱいのときは、少し離れたところに第二駐車場があります。
お松大権現は猫だらけの神社!
鳥居の横にはジャンボ招き猫、参道には猫の足跡が。
入り口からすでに猫まみれで、猫好きならわくわくしてしまう神社ですよね。お松大権現が猫をお祀りしている理由には、江戸時代にあった「阿波の化け猫騒動」が関係しています。
「阿波の化け猫騒動」って?
有馬、鍋島と並んで日本三大化け猫騒動に数えられる「阿波の化け猫騒動」。
発端となったのは、お松さんの夫が不作で苦しむ加茂の村を救うために自分の土地を担保にして村の富豪からお金を借りたことでした。
お金は期限までにきちんと返したのに、借金をしたときの証文を返してもらえなかったため、お金は返していないとみなされてしまい、担保の土地は取り上げられてしまいました。
解決しないまま夫が病死してしまい、夫の代わりにお松さんが奉行に訴えますが、状況は変わらず。奉行は富豪からわいろをもらっていたので、お松さんの訴えを聞き入れませんでした。
最終的に、お松さんは藩主への直訴にかけました。直訴は死罪、命をかけて夫の無実をはらそうとしました。
死罪になる直前、お松さん夫婦が子供のようにかわいがっていた飼い猫の三毛に恨みを残し、お松さんの死後は三毛が化け猫となり富豪と奉行を祟りまくり、ついに両家とも滅びた、というのが阿波の化け猫騒動です。
問題の担保の土地は、今でも神社の近くに残っていますよ。境内には、切り絵でこの阿波の化け猫騒動を解説しているお堂があります。
猫をお祀りする、お松大権現のご利益は?
命をかけて正義を貫いたお松さんと三毛は、勝負事や訴訟、受験の神さまとして崇敬されています。毎年、受験シーズンには大勢の受験生やその家族が合格祈願に訪れていますよ。
境内にあるたくさんの絵馬には高校受験や大学受験、資格試験などの合格祈願の願いごとが書かれていました。
お松大権現の御朱印
私が参拝した日は書き手の方が不在だったため、書き置きの御朱印をいただきました。日付は自分で記入する形で、初穂料は300円。
書き置きの紙は11センチ×17センチの小さい御朱印帳には貼れないちょっと大きめサイズでした。
お松大権現の神社の紋は、香箱座りをした猫なんですよ。
お松大権現の授与品、こんなものがありました
お守りやおみくじ、絵馬などたくさんの授与品が本殿横の社務所に並んでいました。一部をご紹介しますね。
招き猫のおみくじ
「猫神さん」らしく、招き猫のおみくじがありました。お松大権現はおみくじの種類が多くて、招き猫だけでも2種類。こちらは、招き猫のチャーム入りで初穂料200円でした。
お松大権現といえば、やっぱり招き猫!
お松大権現に奉納されている、たくさんの招き猫。その数なんと一万体!
お松大権現では、招き猫を一体お借りして自宅で一年間祈願し、新しい招き猫と一緒にお返しするという習わしがあります。招き猫はお借りするだけでなく、購入することもできますよ。
大小サイズ豊富で、ノーマルな三毛模様の招き猫だけでなく、黒猫さんもいます。招き猫は社務所にたくさん並んでいるので、好みの猫を選んでくださいね。
瀬戸の招き猫みたいな、スラっとタイプのこちらの招き猫は初穂料2,500円。お手てには「お松権現」の社名入りです。
まとめ
お松大権現は、主人の敵討ちをした化け猫を神さまとしてお祀りしていました。「化け猫」というとなんだか怖いイメージですが、阿波の化け猫騒動は命をかけて夫の無実をはらした女性と、主人の恨みを見事にはらした忠義の猫のお話です。
「負けられない勝負がある!」、そんなときはお松大権現に願掛けに訪れてみてはいかがでしょうか。