香川県高松市の屋島といえば、四国八十八か所霊場84番札所「屋島寺」があり、お遍路さんがたくさん訪れています。
お寺で有名な屋島ですが、実は歴史のある神社もあるんですよ。
屋島のふもとにある「屋島神社」と、屋島寺の隣にある「蓑山大明神(みのやまだいみょうじん)」をご紹介します。
徳川家康を祀った、「讃岐東照宮屋島神社」
屋島神社は、別名「讃岐東照宮」ともいわれています。東照宮なので、祭神として徳川家康がお祀りされています。
1651年に初代高松藩主松平頼重(まつだいらよりしげ)が東照大権現の神廟を建立して崇敬したことがはじまりで、東照大権現(とうしょうだいごんげん)とは、徳川家康の諡(おくりな:死後に贈られた名前)です。
日光東照宮をはじめ、全国に徳川家康をお祀りした東照宮があって、屋島神社もそのひとつ。「松平頼重」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、徳川家康の孫で水戸黄門でおなじみの徳川光圀の兄にあたるんですよ。
屋島神社へのアクセスと駐車場
〒761-0112
香川県高松市屋島中町140
屋島ドライブウェイの入り口の四国村のとなりに鳥居があって、参道が見えるのでわかりやすい場所にあります。駐車場は石段の手前にありますが、もう少し上のほうにも広い駐車場がありますよ。
上の駐車場のほうが階段が少なくて、お参りが楽にできます。屋島神社はけっこう高い位置にあってちょっと急な石段を登りますが、その分上ながめがいいですよ。
駐車場は無料で利用できます。
屋島神社の見どころは?
拝殿は門で閉ざされていて、中は見えませんでした。門には徳川家の家紋である葵の紋があって、重厚な雰囲気でした。
この門の彫刻が左甚五郎(ひだりじんごろう)という、江戸時代初期に活躍した彫刻家の六代目が手掛けたものといわれています。1815年に完成したもので、昭和48年に本殿が火災にあった際も無事でした。
写真には写っていませんが、門の上部に鳳凰と柱に龍の彫刻があり、それが六代目が手掛けた貴重なものです。
屋島神社の御朱印は?
屋島神社ではご朱印がいただけますが、このときは社務所が閉まっていたため残念ながらいただけませんでした。書き置きがおいてある場合もあるそうですが、書き置きのご朱印もありませんでした。
観光で遠くから参拝する場合は、事前にご朱印の対応をしていただけるか確認することをおすすめします。
狸の神さま?蓑山大明神
屋島寺本堂のとなりにあるのが、「蓑山大明神(みのやまだいみょうじん)」です。千本鳥居のように朱色の鳥居が並んでいて、両脇にはたぬきの像、鳥居横の「蓑山塚」にもたぬきの山。
「なんでこんなに狸がいるの?」って思いますよね。ここは、四国らしいたぬきの伝説があるスポットなんですよ。
蓑山大明神へのアクセスは?
〒761-0111
香川県高松市屋島東町1808
屋島ドライブウェイを登って、屋島山上まで行きます。屋島寺や新屋島水族館など屋島にある観光スポット共通の駐車場が利用でき、料金は時間に関係なく300円です。
蓑山大明神にお祀りされた、「屋島の太三郎狸」
太三郎(たさぶろう)は屋島に住んでいる四国のたぬきの総大将で、化ける能力がとても高く、日本三大たぬきにも数えられています。
平重盛(たいらのしげもり)に助けられ、平家の守護を誓ったたぬきの子孫がこの太三郎狸といわれています。平家の滅亡後は屋島に住みつき、屋島に戦乱などのよくないことが起きそうなときには、いち早く屋島寺の住職に知らせました。
おじいさんの姿に化けて、道に迷っていた弘法大師空海を案内したり、屋島寺の住職が代替わりするときには源平合戦の幻を見せたりと、なかなかいいたぬきなんです。
なので、「屋島を守る神さま」としてここにお祀りされるようになりました。
蓑山大明神のご利益って?
太三郎は嫁たぬきと大恋愛のすえに結ばれて、夫婦のきずなが強いことから家庭円満、夫婦円満、子宝、縁結びなどの御利益があります。
「蓑山塚」のたぬきたちは、蓑山大明神に願掛けをして願いごとが叶った人たちがお礼に奉納したものだそうですよ。裏側にもいっぱいいました。
太三郎狸は、アニメ「平成狸合戦ぽんぽこ」にも四国のレジェンドたぬきとして登場しています。
蓑山大明神の御朱印は?
蓑山大明神には、残念ながらご朱印や授与品がありません。神社の向いに立派な社務所がありますが、こちらはすべて屋島寺のものです。
まとめ
屋島は「屋島寺」のイメージでお寺が有名ですが、神社もなかなか見どころがありますよ。
徳川家ゆかりの由緒ある神社と四国の有名たぬきが祀られた個性派の神社、どちらも屋島観光でははずせないスポットです。屋島に遊びに来たときは、ぜひ参拝してくださいね。