専門家によるマイホーム作りの話注意点

新築の家には屋根裏が欲しい!プロが教える注意点とは?

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あっという間に季節が変わっていきます。一気に夏空になりましたね。
屋根裏部屋、隠れ家みたいで憧れるし、収納に使っても便利そう。うまくつけることはできるかしら?

そうですよね。屋根裏部屋、憧れます。ちょっとしたスペースがあると、収納にも居場所にも使えていいですよね。建築する上での注意点などを知っておけば、無理せず楽しめそうです。

この記事ではそんなあなたに、屋根裏部屋をつくるときの注意点をご紹介します。ぜひ参考になさってくださいね。

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屋根の下のデッドスペース

屋根裏部屋、隠れ家感があっていいですよね。小屋裏部屋という言い方もありますが、どちらも同じ意味です。
実は建築では、小屋裏と言うことが多いのです。

ここでいう「小屋」というのは、屋根とその下の天井部分との間のことです。天井にある梁(はり)の上には屋根を支える構造材が組まれています。その構造部分を小屋組と言います。
屋根は勾配をつけて斜めにして、雨などを落としますね。その屋根の勾配と、天井に囲まれた三角の部分というわけです。

通常は、ただ屋根の支えを組むところで、換気をしたり断熱材を入れたりしますが、いわゆるデットスペースとなるところ。使えると効率的かもしれませんね。
でも注意する点もありますから、ご紹介していきましょう。

屋根裏、小屋裏を利用するには

小屋裏は、もともとは屋根の下のデッドスペース。屋根を支える役目を果たします。天井の上にある梁も、その力を支える仕組みです。
人が乗ったり物を載せたりする重さに耐えるようにはできていませんから、耐えられるような梁に変える必要があります。

小屋裏は、広く作ると床面積や階数に参入されて、大きな計画変更になってしまいます。例えば2階建ての家に小屋裏を作るつもりが、3階建てになってしまうのです。
算入されるかされないかは法規で決まっていますので、後ほどご紹介しますね。

屋根の下、天井裏には断熱材が入っています。通常は天井の上に乗っかる形ですが、小屋裏部屋の天井に変更します。
断熱材は建物の外廻り全てをぐるりと囲む必要がありますから、途切れないように注意が必要です。

ざっと言うと、こんな注意点があるのです。具体的に見ていきましょう。

小屋裏をつくるときの決まりごと

小屋裏をつくる時注意する点は、床面積と階数に入れないということです。
これは収納として使う時も、ちょっとした部屋として使うときも同じ。大まかな条件はこの2つです。

  • 天井の高さは1.4m以下にすること
  • 床面積は直下階の2分の1まで
    (例えば2階の屋根の下に小屋裏収納を作る場合は、2階の床面積の半分まで)

この2つは法規で決められていますので、基本として覚えておくといいかもしれません。

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床面積に算入されると

床面積に算入されることになると、延べ床面積が増えることになります。そうすると、敷地ごとに決まった用途制限のうち、容積率に影響が出ることがあります。

容積率以上に床面積は作れませんから、デッドスペースを利用しようと思ったのに、肝心の床面積を減らさなければならなくなった、なんてことにもなりかねません。

階数に入ると

例えば木造住宅の場合は、平屋建てもしくは2階建てが主流だと思います。
2階建てで計画していたところに小屋裏を考えて上の条件をオーバーしてしまうと、そこは小屋裏ではなく「3階ですね」とされてしまうのです。

木造住宅の3階建ては構造上の制約がぐっと多くなるので、耐力壁を増やしたり、接合金物を増やしたりすることになります。

当初から3階建てを考えているのなら何の問題もないのですが、2階建てを3階建てにするには、大きな変更が必要になるので覚えておきましょう。

自治体によって違う条件も

その他にも、各自治体による制限も有ります。
固定階段はつけてもいいのかどうか、開口部の制限などもあります。敷地の場所によっても、違ってきます。

あなたの敷地の自治体の制限を、事前に調べておきましょう。
自治体によってかなり違ってきますからね。もちろん専門家に相談すると安心です。

断熱材はしっかりと

せっかく作った小屋裏部屋も、使えなくてはもったいないですよね。
屋根の下は家の中でも最も熱がこもりやすい部分。小屋裏だから、エアコンなども入れられないことが多いはず。断熱材をしっかり入れて、対策をしておきましょう。

家の断熱の基本は、逃げ場なくしっかり包んであげること。家全体を丸々包んであげるのです。
通常小屋裏は、天井の上に断熱材を設置する(天井断熱と呼びます)ことが多いはずです。
でも小屋裏部屋を作ったら、断熱材の設置位置も動かさないと、使えない部屋になってしまいます。

屋根のすぐ下に入れる、屋根断熱になることもあるでしょう。
断熱材は入れる場所によって必要な性能が違いますから、しっかり選んでいきましょう。

もちろん小屋裏ですから、換気もしっかりとできるようにしましょう。すると熱も逃がすことができます。
開口部をつける場合は防犯のためにも、換気はできるけど、屋外への出入りはできないようにしたいところです。自治体によって規制もありますから、注意してくださいね。

まとめ

屋根裏、小屋裏の利用はあくまでデットスペースの利用です。
収納としても、ちょっとした部屋としても楽しめますが、快適に作ってあげることが長く使う部屋にするためのコツですよ。

 

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この記事を書いた人
あさ(建築のプロ)

家を建てるって、とっても魅力的な仕事。住宅会社で設計と施工をメインに、20年以上注文住宅のお仕事をしています。
建築主さんと専門家は暮らしを一緒に造り上げていく仲間でもあると思うのです。だから、難しく見えることをできるだけやさしく、あなたにもお伝えしたい!と思っています。

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