もうそろそろ初夏を感じるようになってきましたね。
日当たりのいい家にしたいの!だから南向きの家がいいのよね?でも南向きってどこまでこだわればいいのかしら?
そうですよね。
南向きの家も多いし、他に何か考えることがあるのかよく分からない。でもどの向きに家を配置するかで間取りの計画も変わってきますもの。
この記事ではそんなあなたに、家を建てる時の向きや配置についてご紹介します。ぜひ参考になさってくださいね。
日本の住宅は南向きが主流?
建てる敷地によって違いはあるけれど、日本の住宅は圧倒的に南向きが多いでしょう。
あなたの今のお住まいはどうですか?戸建てに限らず、マンションやアパートでも南側にしっかり向いている物件が多いのではないでしょうか?
明治から大正にかけて日本には西洋の文化が入ってきて、家の中を清潔に衛生的にする、日光浴をして紫外線で殺菌し健康に、という公衆衛生の考え方もやってきました。
病院の屋上には日光浴をすることで、治療をする施設もできているほど。
太陽の光に当たること、洗濯物やお布団を太陽の光で干すこと、がいいことだとされたのです。
その影響で、南向きが今でも好まれていると言われています。
家は「真南に向けないと!」と思う方も多いよう。
もちろんいいことなのだけれど、それ以外にも住宅の向きを考えてもいいですよね。
確かに昼に日当たりのいい南向きのリビングで過ごしたい、という方には南向きがいいですし、家にいるのは朝くらい、あとは夜しか使わないという方は、朝日がしっかり入る東に大きく開いた家の方がいいかもしれません。
その他にも、敷地の条件で向きや配置を決めてもいいのです。
方位だけでなく、周囲の状況で住宅の向きを考えるのはいかがでしょう。
お隣との関係
家の配置を考えるときは、お隣との関係も気になりますね。
建物の周囲は1m程度空いていると良いと言われます。
家の周りは点検のためにもスペースがあったほうがいいですし、エアコンの室外機や給湯器など、外壁もしくは外壁近くに設置する設備品もあり、それらは空気の流れがあるほうがしっかり働いてくれます。
都市部など敷地が狭いときには、もう少し近づくかもしれません。
民法ではお隣との敷地境界線から50㎝は話しなさいという規定があるため、これが基準とも言われます。
すでに先に立っているお隣の家やお庭を見て、どの向きにするか検討してみるのもいいですね。
日本の南向きが主流ですから、多くの家は南を向いて立っているはずです。
その方向を少しずらすだけで、敷地に余裕がなくお隣と近くても敷地に風が通りやすくなったり、窓から陽の光がしっかり入る家の設計ができる場合も多いのです。
お隣の窓の真正面にあなたの家の窓を作らないなど間取りで工夫することもありますから、まずはじっくり、でも怪しまれない程度にお隣の様子をみてくださいね。
道路や近隣との関係
敷地にはいる道路がどのようについているかで、家の配置や向きが違ってきます。
というのも、例えば駐車スペースを考える場合、道路から離れて設置するのはあまり効率的ではないですし、玄関の位置も道路からどう入ってくるかに左右されます。
道路はあなたの家と近隣をつなぐ接点でもありますね。
プライバシーをしっかり守りたいのであれば、道路側から離れることもできますが、逆に道路に近づいてあげると、家と庭を家族のプライバシーを守りながら、開放感がある計画にすることもできます。
家の配置自体は道路からはなして、その代わりテラスを設けるなどして、ご近所との接点にも活用するお家も多いようです。
プライバシーを守りたい家の中と、近隣とのつながりを適度にもつ、昔でいう縁側のような役目ですね。
家の向きを考えるときは、近隣の様子やどのように暮らしていきたいか、近隣とどう付き合っていきたいか、をぜひ考えていきましょう。
斜線制限も
だからと言って、自分の敷地ならどこでも建てていいでしょ、というわけにもいかないのです。
それぞれの敷地には用途地域ごとに決まっている、「斜線制限」があります。建物の高さを制限する規制です。
斜線制限のいろいろ
「北側斜線制限」は敷地北側の敷地の中で、北側に高さのある建物を建ててしまうと、北隣りの敷地の日当たりが悪くなってしまいます。
そこで、用途地域が各種の住居専用地域の場合は、この制限があります。
「道路斜線制限」は敷地が接している道路の反対側の道路の端から、決まった勾配の斜線を引き、それを超えては建築できません。接している道路の幅によって、敷地にかかる斜線の高さが変わってきます。
「隣地斜線制限」はお隣との敷地境界線からの制限ですが、一般的な戸建て住宅にはあまり厳しい条件ではないはずです。
ですから、一般的な戸建て住宅の建築には「北側斜線制限」と「道路斜線制限」が大いに関係してきます。
専門家に相談
あまり北側に寄せすぎると北側斜線制限に掛かってしまいますし、敷地に接している道路が狭い場合には、道路斜線制限が厳しくなります。
ちょっとややこしいですね。
土地を選ぶとき、不動産屋さんなどの業者は必ずこの斜線制限の情報を知っていますから、あなたの土地にどのような斜線制限があるのか、説明してもらいましょう。
建築を頼む専門家も、もちろんよく知っている制限です。
制限のある中でいい家を提案するのも専門家の役目でもありますから、しっかり相談していってくださいね。
まとめ
家の向きは南に向いていなくても大丈夫。
自然の日の光が取り込めて、風が流れる家を手に入れられます。
住み始めると、あなたの家はまちの一部になっていきます。
近隣の様子を知って、どのように付き合っていきたいのかを考えてみましょう。