外回り専門家によるマイホーム作りの話

新築一戸建て。土地の前の邪魔な縁石や歩道は撤去できる?費用は誰が?

※当ブログでは、記事内に広告が含まれています。

一気に冬になりました。
家を建てる敷地の前の道路、これから建てる家の計画で邪魔なものがあるけど、どうにかならないの?
費用も知っておきたいけど、自治体が出してくれるの?

そうですよね。
新築の場合、車の出入りの場所も決めて敷地全体の計画をしていくもの。
縁石やガードレールがあって車が入れない、なんてこともありますよね。実は工事をして撤去したり、移動したりすることができるのです。

この記事では、道路の縁石やガードレール、歩道などの工事についてご紹介します。ぜひ参考になさってくださいね。

スポンサードリンク

出入りに邪魔な縁石、撤去できる?

家を建てる時には、敷地と道路の関係も気になるところ。
道路が敷地のどちらの方向にあるかで、玄関や庭、カーポートなどの配置が変わってきます。

接道義務という必須の項目があって、建築基準法第43条の規定によって、建築物の敷地が、道路に2メートル(3メートルの場合も)以上接しなければならないとする義務もあります。

道路と敷地の関係は、日常の出入りだけではなく、災害時に消防車などの救急車両が通行できるように、かつ、道路に出入りがスムーズにできるよう、様々な基準が設けられています。

土地の購入の時などは、道路との関係も説明されるはずですから、しっかり確認してください。
敷地に車の出入りをさせるためには、道路にある縁石やガードレールなどがあっては出入りができません。

 

気に入った土地が見つかっても縁石などが邪魔な位置にあり、「車の出入りができないのでは?」と悩むこともあると思います。

そういった場合は道路工事を申請して承認を得れば、縁石などを撤去して、敷地への車両の出入りをスムーズにすることができます。

道路工事施工承認とは

「道路工事施工承認」は敷地への車両の出入りを確保するために、道路工事を申請して施工することができる制度です。

道路法第24条に定められていて、道路管理者以外の人がその管理道路に関する工事を行う場合には、事前に承認を受ける必要があると定められています。

どういった場合が考えられるかというと、

  • 敷地への車両の出入り口を作るために、縁石やガードレールなどの付属物を撤去したい
  • 敷地への車両の出入り口を作るために、歩道部分の切り下げをしたい
  • 街路樹の移設や撤去をしたい

などなど。

 

こういった場合は、市道ならば市に、県道ならば県に、国道ならば国に工事をしたいと申請し、承認されれば工事を行うことができます。

ただし、公共のためではなく申請者の利便のために行う工事ですので、施工費用は申請者の負担となります。
また、あくまで車両の出入り口を作るための工事などが対象です。

縁石やガードレールの撤去

道路にある縁石やガードレールのために、敷地への車両の出入り口が固定されてしまうことも考えられますね。
そういった場合はこの道路工事施工承認を申請して、撤去して、出入り口を確保することができます。

スポンサードリンク

ただし、気をつけなくてはいけないのは、工事の費用は自己負担だということ。撤去の理由が、「公共のため」でないためです。

工事完了後は道路区域内に構造物などがあれば、道路管理者に帰属することになります。

歩道の切り下げ

歩道の切り下げも、申請することができます。
車道よりも歩道が一段高くなっている場合に、歩道に車道側に向かって斜めのスロープをつけることができます。これが「歩道の切り下げ」です。

基本的に、歩道と直角に、かつ、一つの敷地に1箇所認められます。必要性や安全性、工事は適正化などを審査されます。

ご想像の通り、縁石やガードレールの撤去よりも費用がぐっと高くなります。(だいたい30万円以上はかかると思っておくといいでしょう。)

電信柱や道路標識、街路樹などがあって移動または撤去しなければならない場合は、その分も費用に含まれますので、大きな金額になってしまうことも。
事前に知っておかないと、思わぬ支出になりかねませんね。

申請を行うときは、書類も必要

申請をする場合は、申請書類の他に、位置図、現況図、計画図、構造図、交通規制図、工事仕様書、公図(写)、求積表、誓約書、同意書、現況写真などといった資料が必要になります。
なかなかボリュームのある資料類ですよね。

工事の申請をしても、承認されないと工事は行えません。工事をしたい道路の状況によっても、工事内容が変わってきます。

横断歩道が近い、お隣の家の出入り口がすぐそば、道路標識やカーブミラーなど、実際にどのような工事にするか、判断がつかない場合も多いはずです。実際に家を建てる業者さんなどに相談しましょう。

工事の計画や図面の提出も必要になりますから、業者の力を借りた方が滞りなく進めることができるはずです。

事前相談をすると安心

また、道路管理者の窓口に「事前相談」に行くこともできます。
新築する家の計画を立てるには、車の出入り口はしっかり確定しておかないと、計画のやり直しにもなりかねません。

「この位置に出入り口を作りたいが可能か?」と言った相談に、申請する前に行っておくと良いですよ。

地域や道路の種類、状況によって必要な工事は違ってきますから、書類も違う場合があります。
確認して準備してくださいね。

合わせて読みたい

https://happy-newhouse.biz/happyhome136/

まとめ

道路の縁石やガードレール、歩道などの工事についてご紹介しました。
毎日お世話になっている道路ですが、自宅の出入り口という視線で見ると、違った見え方になるかもしれません。

道路には様々な規制がかかっていて、管理する自治体だけでなく、警察や消防などが関わることも多いです。
確かに、緊急車両が通れないのはいざとなったら困るし、交通の邪魔になっては危ないですから、規制が多いのも頷けます。

土地選びでの見落としになることもありますから、知っておいてくださいね。

 

スポンサードリンク
この記事を書いた人
あさ(建築のプロ)

家を建てるって、とっても魅力的な仕事。住宅会社で設計と施工をメインに、20年以上注文住宅のお仕事をしています。
建築主さんと専門家は暮らしを一緒に造り上げていく仲間でもあると思うのです。だから、難しく見えることをできるだけやさしく、あなたにもお伝えしたい!と思っています。

あさ(建築のプロ)をフォローする
タイトルとURLをコピーしました