昼間はまだまだ暑いですが、季節が変わりつつあるのが感じられます。
一戸建ての新築住宅を計画するには、資金の検討が不可欠。そんなことはわかっているのだけれど、まずはざっくりした感覚をつかみたいかな…
そうですよね。
住宅ローンを利用する場合は、大きなお金を借り入れて長い期間で返済することになる。誰だって不安になるだろうし、検討する入り口が欲しいものでしょう。
この記事では、そんなあなたに住宅ローンと頭金についてごく簡単にご紹介します。
資金計画の第1歩として参考になさってくださいね。
住宅ローンと自己資金
注文住宅の資金計画、人生で一番と言って良いほどの大きな額だし、ローンを使うとなると未来に払うお金まで考えないといけませんね。無理なく予算を決定しておきたいものです。
住宅ローンを使う方も多いと思いますが、自己資金を全く用意しなくて良いということでもありません。
ここでいう自己資金は、自分たちで準備できる資金のことですが、日常の暮らしや教育費など必要になる金額を抜いて、住宅取得にのみ利用できる資金のことです。
ここはシビアに考えましょうね。
住宅ローンは建築費用を金融機関から借りてローン返済するわけですが、審査もあるし、金利など検討しなければならないことがありますね。頭金を準備する方も多いでしょう。
頭金ってそもそも何なの?
そもそも頭金とはなんでしょう。
よく言われる頭金とは、建築費用に対して支払う分の自己資金です。
住宅ローンを組むと、金融機関がローン分の支払いを建物が出来上がった時に実行し、建築費用が全額支払われることになります。
頭金が多ければ、ローンで借り入れる金額が少なくなるわけですね。
住宅ローンは無担保で貸してくれるわけではなく、新築する住宅や土地が担保になって借り入れるものです。
ですから建物が出来上がらないと、融資を実行しないわけです。
金融機関からローンを借り入れる時には、審査があります。
年齢、職業、年収などによって審査されますが、頭金の額が大きいと借り入れる金額が小さくなりますから、審査基準が多少ゆるくなります。
頭金をそれなりに準備すると借り入れの負担が軽くなるため、金利が有利になる場合もあります。
頭金はどのくらい準備するの?
では、頭金はどのくらい準備するものなのでしょうか?
自己資金がどのくらい準備できるか検討し、そこから諸費用を抜いた金額が頭金として使える額です。
諸費用も検討しよう
住宅の建築を行うときには、建築費用以外にも「諸費用」がかかります。
諸費用として、住宅ローンの取り扱い手数料、登記にかかる費用、印紙代、不動産取得税、引っ越し費用や新たな家具の購入費用などがあり、これらはほとんどの場合自己資金の中から支払うことになります。
つまり、自己資金は頭金だけでなく、諸費用も加えた金額と考えましょう。
諸費用が自己資金の計算に入っていないと、日常生活を圧迫することになってしまいます。
総予算を考える時は、建築費用+諸経費を総予算として考え、「諸費用」と「建築費用のうちの頭金」が自己資金で支払う分になります。
みんな、頭金は具体的にどのくらい準備しているの?
頭金は「建築費用の2割」と言われていますが、実際はどうなのでしょう。
建築費用が仮に3,000万円だとすると、その2割は600万円になりますね。
住宅金融支援機構による長期固定金利住宅ローン「フラット35」の利用者調査によると、2018年は、建築費の全国平均3,390万円に対し、頭金は全国平均635万円で、建築費の約18%です。
頭金の中央値は397万円ですから、「頭金は建築費の2割」という目安を、かなり下回っている場合も多いようです。フラット35は頭金ゼロでも借りられますから、平均値と中央値の差が出てきています。
住宅ローンを組む場合は、審査が通る基準が金融機関によって違います。
年齢や職業によっては頭金が少なくても有利になる場合もありますが、とにかく最初におさえておくことは、自己資金の額と総予算の額です。
十分な蓄えがあって頭金も余裕を持って支払えるのであれば悩むこともないかもしれませんが、なかなかそうはいかないもの。
住宅ローンは、たいていの場合20年から30年の長期間に組むものです。
その間の暮らしにも関係しますから、家族で話し合ってしっかり把握しておきましょう。
頭金はなくても大丈夫?
頭金は2割を割ることも多い、ということをご紹介しました。では、頭金ゼロは果たして可能なのでしょうか。
頭金はなくても、住宅ローンを組んで家を建てることは可能です。
現在住宅ローンの金利は非常に低くなっていますので、これから頭金を貯めるなら、今、金利の低いローンを利用して住宅を建てた方が、有利な場合もあります。
例えば、現在のお住いの賃貸料が早く無くなりますから、その分の支払いがローンの金利支払いよりも多ければお得です。それぞれの状況で違ってきますから、しっかり検討してみてください。
フラット35は、現在頭金なしでもローンを組むことが可能な商品です。
金融機関によって色々なローンがありますから、相談してみるといいでしょう。
つなぎ融資を活用しよう
繰り返しになりますが、注文住宅の場合、住宅の引き渡しを受け担保設定し、ローンの実行になります。(実際には全て並行して行われます。)
住宅ローンが実行されるまでの資金は、どうしても必要になります。
印紙代や手数料などの諸費用など、必要な内容は住宅会社によっても少しちがいますから、確認してくださいね。
また、注文住宅の場合、建築費の支払いは契約時、着工時、上棟時、完成時などに分けて支払います。
建築費そのものは、「つなぎ融資」と言われる融資を組むことができて、住宅ローンが実行されるまでの建築費の支払いに当てることができます。
建物が完成して住宅ローンが実行された時に、その中からつなぎ融資分を返済する仕組みです。住宅ローン本体が実行されるまでの「つなぎ」の役割です。
頭金を家族から援助してもらう
人からお金など財産をもらう場合、贈与税がかかりますよね。
現在は、「住宅取得等資金贈与の非課税」措置によって、住宅資金の贈与に関しては非課税額が拡大しています。
住宅取得のための資金を親や祖父母などからの贈与された場合は、消費税10%の住宅なら「最大3,000万円」まで贈与税がゼロになります。(ちなみに消費税8%の住宅の場合は、「最大1,200万円」です)
ただし、住宅の性能に条件があって、省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性が高い性能を満たす住宅である場合ですから注意しましょう。
親や祖父母からの援助を頼めるのであれば、贈与税で取られる部分がほぼなくなりますから、検討するといいでしょう。
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まとめ
住宅ローンの際の頭金についてご紹介しました。
金利は社会情勢で変わりますが、今現在はかなり低い水準でとどまっています。それでも住宅ローンは長い期間のローンですから、不安になるものです。
ご家族としっかり話し合い、ファイナンシャルプランナーや金融機関にも相談できますから、しっかり納得できる無理のない資金計画を立てましょう。
住宅を建てることが目的とはいえ、先立つものはお金。シビアに検討してくださいね。