専門家によるマイホーム作りの話設計

新築一戸建て。家族の生活の変化にどう対応する?バリアフリーの導入はいつ?

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緑がまぶしい季節ですね。すっかり初夏です。さて、一戸建ての住宅を建てたら、それが終の住処になることが多いはず。でも自分も変わっていくだろうし、家族も変化する。

そんな時はどうしたらいいの?また建てるなんて無理だろうし…

そうですよね。家族や暮らしの変化は、必ず起こるもの。今住みやすく作っても、将来も住みやすいとは限らない。ライフスタイルの変化に沿った暮らしをしていきたいですもの。

この記事では、そんなあなたに、ライフスタイルの変化をどう考えるといいのかを、ご紹介します。ぜひ参考になさってくださいね。

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家は何年くらい使うの?

あなたの建てた家、何年くらい使うでしょうね?日本の住宅の寿命は30年と言われています。

でもこれは住めるけれども、土地を売ったり、建替えをしたりするために壊す寿命。木造住宅は日本の気候に合っているということもあり、80年以上はもつと言われています。

30年で建替えをしたくなるのは、ライフスタイルの変化や時代に合わず不便をかんじる、といった理由もとても多いようです。

30年って長いようで短い。でもきっと、思い出がたくさんできる年月です。もっと長くもたせられるなら、壊す必要はないですよね。長く、しかも、快適に使うために、どんな準備をしていくといいのでしょう。

可変性を考えた設計と汎用性のある設計

子供が巣立っていく、親と同居する、孫ができる、などなど。自分だって若いままではいないし、仕事を辞めて何か始めるかもしれない。ライフスタイルの変化に、どう対処していけばいいでしょうね。

可変性を意識する

一つには、「可変性を意識した住宅」を建てること。改築やリフォームをすることで将来のライフスタイルに合わせることができますよね。

床面積を増やして部屋数や大きさを増やす増築、いらない部分をなくして床面積を減らしコンパクトにする減築など、大きく変更する場合もありますし、素材を変えたり、建具の位置を変えたり、小さな変更をするリフォームもあるでしょう。

住宅設備を交換しやすくしたり、部屋を作ったり減らしたりできるように考えた設計にすることは可能です。できる範囲で備えるようにすると、後々の費用が安くて済みます。

ただ、最初から全てに備えるには限界があるし、予想外の変化もあるかもしれません。ですから、将来的に増築や減築、リフォームなどをする、ということを視野に入れておくことが重要です。

住み替える

もう一つは、「住み替える」ということ。住んでいる家を売却して、新たなライフスタイルにあった家に住み替える方法。これは、売却しやすい家にしておくと有利ですよね。

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売却しやすい家というのは、あまり個性的でない方がいいのです。汎用性のある、ごく一般的な家が最も売れやすいと言われています。

建売住宅のような間取りは、一番汎用性があるようですし、地域にあった設備が付いているといいかもしれませんね。

メンテナンスが重要

ご紹介したどちらの場合も、普段から家のメンテナンスをしておくことが大切です。普段の掃除で、何か不具合がみつかったら、小さいうちにすぐ解決しておきましょう。

家をきれいに保つことは、寿命を延ばすことでもあるのです。

普段の掃除のほか、年末などの大掃除では、普段気づかないことが見つかったりします。年に1、2回、メンテナンスのつもりで大掃除をするといいですね。

木造住宅は変化しやすい

木造住宅は可変性があると言われます。昔から作られてきた日本の木造住宅は、縦(柱や束)の材料と、横(梁や土台)の材料を基本にして作ります。

それだけでは、時間がたったり、地震にあったりした時にねじれたり歪んだりしてしまうので、筋かいと呼ばれる斜めの材料をいれて補強するのです。

だから、この縦横斜めの材料をそのままにすれば、あとは壁をなくしてもいいし、どう変えてもいいですよ、というわけです。

現在の木造住宅は、筋かいではなく構造用合板を使うことが多くなってきているので、柱と土台や梁、耐力壁と呼ばれる構造用の壁を注意することになります。

耐力壁以外の壁はなくても構造上問題はありませんし、新たな壁を作ることもできますから、部屋を減らしたり増やしたりできるのです。

これはごくざっくりとした説明です。担当の専門家とよく話し合ってくださいね。

バリアフリーへの対応は最初から

家の中の段差をなくしたり、階段を緩やかな勾配にしたり。いわゆる「バリアフリー」の対応。これはできるだけ最初の計画から対応させたほうがいいと思います。

高齢になってからを考えると、その変化に合わせてリフォームするよりも、住み慣れた家がバリアフリーであるほうが絶対に使いやすい。

段差をなくしたり、階段の勾配を緩やかにするなどは、後のリフォームで対応するより、最初から計画しておいたほうが、コスト的にもグッと有利になるはずです。

今は平気でも、将来は必ず必要になりますし、普段元気な人も、怪我をしたり、病気をしたりした時には、バリアフリーにしておくと便利です。

バリアフリーというより、ユニバーサルデザインとして考えたほうがいいかもしれませんね。

まとめ

一戸建ての住宅は、竣工した時は実は6割しかできておらず、後は自分達が住んでいる間に作り上げるのだ、とも言われているのをご存知でしょうか。

建てては壊す、スクラップ&ビルドの社会から、いいものを長く使う社会へ。柔軟に対応できるように備えることが、実は一番の近道です。

 

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この記事を書いた人
あさ(建築のプロ)

家を建てるって、とっても魅力的な仕事。住宅会社で設計と施工をメインに、20年以上注文住宅のお仕事をしています。
建築主さんと専門家は暮らしを一緒に造り上げていく仲間でもあると思うのです。だから、難しく見えることをできるだけやさしく、あなたにもお伝えしたい!と思っています。

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