紹介するのは、三重県多気郡明和町にある、いつきのみや歴史体験館と史跡公園です。ここは、時の天皇のうら若きお姫様が、伊勢神宮の祭祀に仕えるため伊勢に派遣され、住んでいた場所です。
三重県の観光地といえば、まず伊勢神宮を挙げられる方が多いと思います。でも、こちらも穴場的に楽しめるスポットですよ。
観光客がひしめく伊勢神宮とは対照的に、こちらはまだあまり知られていないようで、ゆっくり楽しむことができます。
伊勢神宮を参拝された後で、一足伸ばして来てみても後悔しませんよ。いや、むしろ平安時代が好きなあなたは、行かなかったことに後悔するかもしれません。
アクセス方法は電車が便利
近鉄山田線の斎宮駅で下車すれば、目の前が歴史体験館です。
お車の場合は、伊勢街道を斎宮駅めざして来てください。歴史体験館の隣にお休み処いつき茶屋さんがあって、そこに停めておけるようです。また、斎宮歴史博物館にも駐車場があります。歴史博物館を見た後、徒歩12分で歴史体験館まで来られますよ。
いつきのみや歴史体験館の地図
では、見どころをご紹介していきますね。
いつきのみや歴史体験館
こちらの施設は、無料で楽しめます。まだ新しくきれいな建物です。
中には平安時代の日用品の展示が多数あって、当時の双六(すごろく)や蹴鞠(けまり)で実際に遊ぶことができます。驚いたのが、平安貴族が乗っていた輿(こし)の展示があるな~と思っていたら、何と乗ることができます。
さらに、着物の展示があるな~と思っていたら、こちらも着ることができます。
これは正装ではなく、当時の普段着ですね。あらかじめ着物が重ねられていて、服の上からそでを通すだけです。大人用と子供用が、色違い3種類ずつありました。(女性用のみ)
予約をすれば、十二単(じゅうにひとえ)や男性の直衣を、本格的に着付けしてもらえます。お子様用(身長120㎝前後)には、細長・汗衫・水干が着付けできます。こちらは有料ですね。
さらに、平安時代の靴も履いてみることができました。
他にも予約制で、機織り体験や草木染体験、お香の体験講座などがあります。
斎宮歴史博物館
こちらは、斎宮(さいくう)とは何?が学べる博物館です。有料です。
都のお姫様が、伊勢に斎王としてやってくる様子がわかる映画上映もありました。
また、子供向けのイベントで“○○を探せ”といったゲームがありました。博物館内にお姫様の絵があちこち隠れていて、それを全部集めると記念品がもらえます。結構難しくて、館内に来ていた子供たちが、一生懸命探していましたね。
展示には、工夫が凝らされていました。壁に覗き穴があったり、当時の建物の中がわかる模型があったり、大人も楽しめました。
周辺公園
外は広い公園になっていて、歩いていると10分の一サイズの平安時代の建物の模型がありました。
人形がそれっぽく配置してあって、面白いです。
模型とはいえしっかり作られているので、目線を下げると平安時代にタイムスリップしたかのようです。
さいくう平安の杜
こちらは、本物サイズの建物の復元があります。発掘調査から、平安時代に立てられていた同じ場所に同じ様式で、建物が復元されています。
中も入れました。天井はこんな感じになっているんですね。
ここは、斎宮の様々な儀式が行われた場所です。当時はきっとたくさんの斎宮のお付きの人がいて、神聖な儀式が執り行われていたんでしょうね。空想の世界が広がります。
いかがでしたか?
平安時代ファンにはまさに聖地のような場所です。ファンまでではなくても、着物を着てみたり輿に乗ってみたりと、体験型の観光スポットなので十分楽しめますよ。
イベント情報
平成30年9月23日には、「いつきのみや観月会」というイベントが行われました。
昼の部は踊りや餅巻き、また斎王による「寿(ことほぎ)の儀」があります。
夜の部は、3,000本のろうそくの灯りの下、雅楽演奏や舞が舞われて、平安時代の観月の宴を楽しむことができ、壮観でした。
また、平成30年10月20日には「斎宮コスプレ物語」というイベントが行われました。
テーマは「和」です。平安時代そのままの建物を背景に、映えする写真がたくさん撮れました。十二単や束帯(そくたい)などを服の上から簡単に着れる、一回500円の体験もあってとても楽しかったです。
「コスプレ物語」というタイトルだったのでコスプレの服がなくてはダメなのかと思いましたが、そんなものがなくても十分楽しめましたよ。
参加申し込みをすると、コスプレが無料で一回できる特典が付いてくるので安心でした。
アフターコロナでは、またいろいろなイベントが行われると思います。その際にはぜひ遊びに行ってみてくださいね。