大阪市天王寺区にある大江神社。静かな住宅街の中にある、いたって普通の歴史ある神社ですが、全国から多数のファンが参拝する、「阪神タイガースの聖地」といわれています。
なぜ大江神社が聖地となったのか、気になる由来をご紹介します。
大江神社へのアクセス
谷町線四天王寺前夕陽ヶ丘駅が最寄り駅です。少し距離はありますが、天王寺駅からも歩ける場所でした。
大江神社は開門が6時で閉門が17時と、境内に入れる時間が決まっています。
大江神社のご由緒やご利益
大江神社は「四天王寺七宮」のひとつで、聖徳太子が四天王寺を建立したときに四天王寺の鎮守として創建されたとても歴史のある神社です。
空襲の被害にあったため、大江神社の現在の拝殿は昭和38年に再建された新しいものです。
古来より天王寺の産土神として崇敬され、大江神社のご祭神は豊受大神(とようけのおおかみ)、素戔嗚尊(すさのおのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)、欽明天皇(きんめいてんのう)の5柱。
神話でおなじみの神さまが、多数お祀りされていますね。
大江神社の御利益は?
大江神社には、五穀豊穣の神さまである豊受大神がお祀りされていることから、「衣食住守護」の御神徳があります。
また、ヤマタノオロチを退治した素戔嗚尊がお祀りされていることから、身にふりかかる厄災を払いのける「厄災除け」の御神徳があります。
大江神社は阪神タイガースの聖地?
大江神社には、全国から多くの阪神タイガースファンが参拝するといわれていますが、そのわけは大江神社の神仏習合(しんぶつしゅうごう)の歴史にあります。
聖徳太子の四天王寺建立以来この地に鎮座している大江神社は、いつからか毘沙門天をお祀りするようになり、四天王寺の所管になりました。当時は境内に毘沙門天を本尊としたお寺があり、僧侶が祭祀を行っていました。
明治時代の神仏分離でこの毘沙門堂はなくなり、現在の大江神社となりました。
大江神社では境内に毘沙門天堂があったことから、狛犬の代わりに毘沙門天をお守りする虎を模した珍しい「狛虎」がいるんです。現在の拝殿には通常の狛犬がいて、狛虎は拝殿の隣の奥のほう、毘沙門堂があった場所に鎮座しています。
神仏分離や空襲で災難にあった狛虎…
大江神社の狛虎は300年以上前の江戸時代から祀られていましたが、現在鎮座しているのは再建された新しい狛虎です。
明治の神仏分離により毘沙門堂がなくなったことで、もともとあった「吽形(うんぎょう)」の虎は滋賀に移され、残った「阿形(あぎょう)」の虎も空襲の被害にあい、耳がとれて歯が欠けた無残な姿になってしまいました。
現在も昔の阿形の狛虎は大江神社で保管されていますが、一般公開はされていません。
2003年に「狛虎を一対にしたらタイガースが優勝するのでは」と、有志が吽形の狛虎を奉納したところ、タイガースは18年ぶりに優勝!
そこから大江神社での「阪神タイガース優勝祈願」が有名となり、2011年には阿形の狛虎も新しく奉納されました。
今でも多くの阪神タイガースファンが、聖地・大江神社を参拝してタイガースの活躍を祈願しています。狛虎の周囲には、メガホンやユニフォームなどのタイガース応援グッズや祈願札が、たくさん奉納されていますよ。
大江神社の御朱印
拝殿の右手に社務所があり、そこで御朱印をいただけます。初穂料は300円でした。狛虎の印があって、かわいい御朱印です。
まとめ
珍しい「狛虎」があると聞いて参拝した大江神社は、阪神タイガースファンの愛があふれる神社でした。境内には猫がたくさんいて、狛虎とともに猫好きな方にもおすすめですよ。
大江神社は歴史あるお寺や神社が多い四天王寺エリアにあり、四天王寺前夕陽ヶ丘駅からのアクセスもいいので、天王寺周辺の御朱印めぐりの際にはぜひ参拝してくださいね。