家造りの基本専門家によるマイホーム作りの話

プロが教える!注文住宅と建売住宅の品質の違い!チェックポイントは?

※当ブログでは、記事内に広告が含まれています。

夏至が過ぎました。あっという間に夏がやってくるようです。

注文住宅と建売住宅、違いはなんでしょう。できているものを買うか作るかの違いはわかるけど、住宅としての質の違いはあるのかしら?

そうですよね。
今目の前にない注文住宅と、すでに出来上がっている建売住宅。価格も違うし作り方も違うのかな。
どうもはっきりわからないですよね。

この記事ではそんなあなたに、注文住宅と建売住宅の住宅としての質の違いの見方をご紹介します。ぜひ参考になさってくださいね。

スポンサードリンク

注文住宅と建売住宅

注文住宅は、注文主である建て主と設計から計画して、工事を行って住宅を作り上げます。
請負契約(うけおいけいやく)という契約を結びます。まだ実際にはないものを作り上げて、引き渡すことを約束する契約です。

建売住宅は、すでに出来上がった住宅を見てそれを購入します。だから、売買契約を結びます。
こちらの方が契約の形態としては馴染みがあるかもしれませんね。

注文住宅と建売住宅、一番の違いは目の前にあるかどうかでしょう。そして相対的に注文住宅の方が建売住宅よりも費用が高くなります。

ざっくり言うと、ひとつひとつ違うものを建てるよりも、同じものをまとめていくつも建てた方がコストがかからない、ということです。

品質の違いはあるの?

では、住宅としての品質の違いはあるのでしょうか?建売住宅が安いわけから見ていきましょう。

価格が安いわけ

建売住宅の場合、販売できるまでその住宅は会社の在庫となります。
会社は在庫を嫌います。お金をかけて作ったものが売れないのでは、資金が回りませんからね。
それに建ってから時間が経ってしまった住宅よりも、建ったばかりの住宅の方が断然売れやすい。

だから、売りやすいごく一般的な家の間取りが多いのです。売りやすい見た目にしていることもあるでしょう。アクセントに今流行りの間取りを取り入れている場合もあります。

同じタイプの家を何棟も作れば、同じ材料を多く仕入れることができて、材料の値段が下がります。
また、手間をかけるポイントを減らして、設計の手間や工事の手間を省いて工期を短くすることもできます。

例えば同じ図面を使って、1棟だけ建てるよりも10棟建てた方が、設計の手間が省けるわけです。
こういったつくり方の工夫で、価格が安く抑えられているのです。

注意は必要

ただし他と比べて、格別に安いものは注意が必要かもしれません。販売価格が安いということは、作った時の材料費と工事費が安いということ。
あまり質の良くない材料や職人を使っていたり、無理な工期短縮をしてコストを下げていたりする可能性も大いにあります。

飛びつかずにどうして安いのか、確認した方がいいでしょう。

品質は一緒なの?

注文住宅と建売住宅、品質がまったく一緒かというとやはりそうは言えないでしょう。たいていの場合、注文住宅の方が品質は上です。

建売住宅は、売れやすい家を一番に考えます。それには価格を抑えることがかなり重要です。
一般的な間取りを採用しているため、使い方の想定も、家具の配置の想定も一般的。コンセントの数や照明器具の位置もどちらかというと少なく無難、設備品も建売用の量産品が使われます。

注文住宅の良さは、それぞれの家庭の使い方に沿った家になること。
長く暮らす家ですから、この質の違いはやはり大きいと思います。

スポンサードリンク

住宅性能の違いを判断する基準

「住宅性能表示制度」では、等級で表すという基準があります。
耐震性や省エネルギー性、バリアフリー性や防犯性など、いろいろな性能を等級で表すのです。

建売住宅でも注文住宅でもこの性能基準を明示しているところがありますから、それを参考にしてもいいですね。

耐震性を等級で表すと

住宅性能でわかりやすいのは、耐震等級かもしれません。

今や日本じゅうどこでも地震の心配はあります。耐震等級は1から3、数字が大きくなると地震により強いということになります。

建築確認申請に合格するには、耐震等級1であればOK。
耐震等級1の建物は、10年に一度来る可能性のある地震には壊れずに耐えることができます。

100年に一度来る可能性のある大地震(震度6強~7)では倒壊はしないけれど、柱、梁、壁の主要構造部が壊れてしまうというレベルの想定。
大地震にあって壊れても、下敷きにならずになんとか逃げ出せるという基準です。

 

耐震等級3の建物は、100年に一度来る可能性のある大地震(震度6強~7)でも壊れず住み続けられるという想定です。
何度も大きな震災を経験して、耐震等級3をすすめている住宅もたくさん出てきました。お住いの地域や土地によっても、感じ方は違うかもしれませんね。

耐震等級は、この等級でなければならないということはありません。こんな等級の考え方があって、耐震性を強化することができるということを覚えておいてください。

10年保証を確認しよう

現在は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)によって、それぞれの住宅に10年間の瑕疵(かし)保証が義務化されています。
これは特に、雨漏りと構造上重要な瑕疵についての保証です。

注文住宅では住宅を建てた工務店や住宅会社、建売住宅の場合は販売した分譲会社に、10年間責任を持って瑕疵を直す義務があります。

保証を義務付けられた会社は、保証の資金を担保するため保証機構などに保証金をあずけたり、住宅ごとに保険に入ったりしています。

建設業の免許を持っていれば、かならずこの制度が適用されます。
新築の住宅を手に入れる時は、注文住宅でも建売住宅でも相手の会社がかならずこの制度を実施しているか確認しましょう。

 

この制度、そもそも品質の良い住宅を供給しましょうという制度です。
建築工事中に、第3者の検査員がかならず検査に入ります。保証機構が保証すると決める品質になっているかどうか、工事中に検査するわけですね。

基礎の中に隠れてしまう配筋の検査や、壁や天井ができると隠れてしまう構造の部分を、図面通りに作られているか第3者が確認するシステムです。

この検査で全てが解決するわけではありませんが、第3者が現場を確認するというのは注文主や買主にとって、大変心強い制度です。

まとめ

注文住宅と建売住宅、品質の違いはありますが、住宅性能表示の等級は選ぶ上での参考になると思います。
性能表示をしていない住宅もまだ多いですが、耐震等級は確認すればどのくらいの等級レベルなのかわかるはずです。

紹介した10年保証は、必ず確認してください。住宅の建て主や買主を守る制度です。
注文住宅を建てる時も、建売住宅を購入するときも、必ず確認して活用しましょうね。

 

スポンサードリンク
この記事を書いた人
あさ(建築のプロ)

家を建てるって、とっても魅力的な仕事。住宅会社で設計と施工をメインに、20年以上注文住宅のお仕事をしています。
建築主さんと専門家は暮らしを一緒に造り上げていく仲間でもあると思うのです。だから、難しく見えることをできるだけやさしく、あなたにもお伝えしたい!と思っています。

あさ(建築のプロ)をフォローする
タイトルとURLをコピーしました