暑い夏が来ました。
土地探しをするときに、やっぱり心配になるのはその土地の地盤の強さですね。
せっかく土地を選ぶなら、しっかりとした地盤の土地に住宅を建てたいのがあたりまえ。でもどうやってそれを調べればいいの?
そうですよね。
毎年のように起こる災害を見ていると不安になりますし、土地の地盤が強いか弱いかなんて見ただけではわからないですもの。
この記事ではそんなあなたに、土地探しの時の地盤の強さを調べる方法について、ご紹介します。ぜひ参考になさってくださいね。
地盤の力
地耐力(ちたいりょく)という言葉、ご存知でしょうか?
地盤がどのくらいの重さに耐えられる力があるかを示します。
どのくらいの重さに耐えられるかは、地盤の固さが決め手です。固ければ重いものに耐えられるし、柔らかければ沈んでしまうでしょう。
例えば木造住宅2階建であれば、30tをやすやすと超えます。
その住宅の重さを支えるのが地盤で、地盤の地耐力が重要になってきます。
設計の際には、必ず地耐力を調べてから設計をします。
住宅を支えるだけのしっかりした地耐力がなければ、地盤改良工事を行って地盤を補強して、住宅の不同沈下(ふどうちんか。全体に水平に沈むのではなく、場所によって不規則な沈み方をすることを指します。家が歪んでしまう原因の一つです)などを防ぎます。
どんなに安全な住宅を設計しても、柔らかい地盤の上に立ててしまっては役に立ちません。だから、地盤の調査は重要ですし、十分な地耐力が必要なのです。
地盤の状況を知るには
そうはいっても、目で見て分かることではないですよね。
自分のものではない土地の地盤調査をして買うか買わないかを判断するなんて、やらせてもらえないことが多いし、多くの費用がかかって現実的ではありません。
どうやって地盤の強さを知ればいいのでしょうか。
地盤が固いか柔らかいかは、その土地がどのように使われたか、災害のときどうだったかである程度判断がつきます。ここでは4つの方法をご紹介します。
不動産業者に確認する
まずは、相談している不動産業者に確認しましょう。
地盤の状況は、「これまでにどのように使われてきたか」、で推測することができます。
昔から住宅地として使われていたのであれば、住宅地に向いている土地だということができそうです。以前はどう使われていたのか、まずは確認してみましょう。
また、造成地の場合は、昔の地形がわかりにくくなっていますから注意が必要です。
例えば斜面の場合、家が立てやすいように斜面を削ったり、土を盛ったりして段をつけ、水平な敷地を作ります。
もともとの地盤に土を盛った「盛土」の部分はどうしても柔らかめになり、以前の状況と変わっていることが多いのです。
造成地の場合は特に、どのような造成がされているのか不動産業者に確認しましょう。
地名を参考にする
地名も参考になります。
地名はその土地の特徴を表している場合が多いのです。
地名に水に関わる名前が付いていたり、さんずいの漢字が使われていたりすると、昔川が流れていたり、沼や湿地だったり、低くて水が出やすい地域。そういう土地は、地盤が柔らかい場合が多いでしょう。
現在は地名が新しいものに変わっている場合もあります。自治体の合併や、地名の変更が行われていることもありますから、古い地名を調べると良いでしょう。
「住居表示(住民票にかかれている住所です)」は新しいものに変わっていても、「地名地番」は古いままですから、そちらを参考にしてください。
土地条件図やハザードマップ
災害のリスクを知っておくことも、地盤の強さを知るために有効です。
自治体ごとにハザードマップを作成しているはずです。ネットでも公開されていますから、それを見てみましょう。
土地勘があまりなければ、国土交通省のポータルサイト、「重ねるハザードマップ」を使うと便利です。
調べたい場所の住所を入れて検索すると地図が出てくるので、それに洪水の情報や土砂崩れのリスクなどを重ねて表示することができます。
例えば、洪水の危険があるところは低くて水が出やすく、地盤が弱いことがわかります。
国土地理院の作成する主題図でも詳しく見ることができます。例えば主題図の中の「土地条件図」も参考になります。
知りたい場所をクリックすると、土地の成り立ちや災害リスクの解説が現れますから、簡単です。
今のお住まいにも役立ちますから、覗いてみてくださいね。
「土地条件図」
地元の人に聞く
住みたい地域が決まっていたら、その土地に住んでいる人に聞くのもとても参考になります。昔からの災害の状況や土地の使い方、空き地の情報など。
噂も含まれますが参考になることが多いので、ちょっと聞いてみるといいですよ。
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まとめ
地盤の強さは見ただけではわからないもの。ここでご紹介した方法で、すべてがわかるわけではありません。
多少柔らかい地盤でも地盤改良工事という地盤を強くする工事をすれば、住宅を建てることもできますから、過剰に神経質になることはありません。周囲の状況をよく観察してみましょう。
どんな場合でも、その土地がどのような災害リスクがあるのかを知っておくことは、大変重要です。