会社選び専門家によるマイホーム作りの話

新築一戸建て。複数業者に依頼する分離発注のメリットデメリットと素人でも実現できる方法。

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家づくりにかかわって20年の「あさ」です。
このブログでは、新しくマイホームを建てようと考えているあなたに、プロの目線から、絶対に損をしないための情報をお伝えしています。

 

分離発注って、ご存知でしょうか?住宅を建てる費用を下げる方法の一つです。
自分でたくさんの専門業者に、直接依頼するのです。

聞いたことがあるかもしれませんね。
住宅を建てるときの費用が下がるなら、そんなありがたいことはありません。どうやったらできるのでしょう。

この記事では、分離発注に興味のあるあなたにそのメリットとデメリットなどをご紹介します。ぜひ参考になさってくださいね。

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一括発注と分離発注

家づくりをするには、いろいろな職種の工事が必要です。
基礎工事、足場、大工工事、電気工事、水道工事などいろいろです。少なくとも20種類以上の職種が協力しあって建てていきます。

住宅メーカーや工務店は、それぞれの工事を管理・監督して一棟の家を建てるわけですね。
これが一般的な工事の仕方だと思います。

ただ、そうしなくてもいいのです。住宅メーカーや、工務店がやる管理・監督を自分自身でやることもできるのです。
基礎工事、足場、大工工事などをそれぞれの職人さんに直接頼んで、発注するやり方です。「分離発注」と言います。

分離発注に対して、一般的な住宅メーカーや工務店に頼む方法を「一括発注」と呼ぶのです。

分離発注をするメリットは

分離発注をする一番のメリットは、ズバリ費用の削減と言えるでしょう。

住宅メーカーや工務店が通常行う、管理・監督の仕事をすべて建築主であるあなたがやることになります。
ですから、その手間分の費用はかかりませんし、材料や住宅設備品も直接買った方が安い場合もあります。

通常、住宅メーカーや工務店がやる仕事が減った分、費用が安くなるわけですね。
また、間に入る人なしにそれぞれの職種と打ち合わせて発注するわけですから、直接話をする分、あなたの意図が伝わりやすいかもしれません。

分離発注は難しい

分離発注、費用が下がるのは大変魅力的です。ただし、難しい点があるのです。

通常、住宅メーカーや工務店が一括発注を受けるのには理由があります。材料の発注、現場での作業の段取りを組み合わせてやっていくのは、ある程度の知識が必要です。

例えば、大工さんが仕事をしている手順の途中で、電気屋さんが入って仕事をするから、電気の配線などは壁の中に入っているわけですね。

タイミングを上手く取らないと、現場に入るタイミングが早すぎたり遅すぎたりしてしまいます。
早すぎれば現場で仕事ができませんし、遅すぎれば大工さんの仕事を止めてしまうこともあり、その分ロスが出てきます。

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材料の発注も現場のタイミングを見て納品してもらわないと、職人さんはいるけど材料がないので仕事にならなかったり、材料がたくさんありすぎて現場が動きにくくなってしまったり。

それらを把握して調整するのは、なかなかな手間なのです。
支払いももちろんそれぞれに支払いますので、支払い条件などもしっかり把握しておくことが大切です。

建築設計事務所に協力を頼んでみよう

工事の手順なんて、よくわからない。それで工事がうまくいかないし、遅れてしまったら追加の費用もかかりかねない。

そんな時は、建築設計事務所に分離発注をしたいと相談してみましょう。

設計をしてくれる建築設計事務所の仕事は、図面を書くだけではないのです。設計監理という業務があって、図面通りに現場ができているか、手順はあっているかといった確認をします。
現場で工事が終わるまで、関わるわけです。

この設計監理の業務があるので、分離発注に協力してくれる場合もあるのです。

 

工事の手順などはよくわかっているはずですし、職人さんとのやりとりも慣れているので、アドバイスをもらえ、様々な協力をお願いできる可能性があります。

工事が始まる前には、設計した計画の見積もりを取って、建築費用の総額を確認しますね。その時に知っているそれぞれの専門業者を紹介してくれるかもしれません。
設計事務所経由で見積もりを取れば、内容の確認もしてもらえるはずです。

分離発注を嫌がる職人さんもいるので、専門家である設計事務所に協力をしてもらえるのは、とても心強いはずです。

分離発注のデメリット

分離発注にはデメリットもあります。一番大きいデメリットは、10年保証が受けられないということでしょう。

「住宅の品質確保の促進に関する法律」によって、新築住宅を建てたハウスメーカーや工務店には「瑕疵(かひ)担保責任」を負うことを義務付けられました。

住宅で大切な基本的な構造の部分に問題があったり、雨漏りがしてしまったりした場合、建築を請け負った工事業者は、それを修繕する義務があるのです。新築から10年の間、無償で修繕しなければなりません。

これは、住んでみないとわからない瑕疵から、住宅と建築主であるあなたを守る制度です。
建築主にとっては、現場で見えなかった瑕疵が10年間保証されるのですから大変大きなメリットです。

 

ハウスメーカーや工務店には、10年間の保証をするために資力を確保することも義務付けられていて、保証金を収める、もしくは保険に加入しています。

分離発注の場合は、どの業種が問題で瑕疵があるのかはっきりさせることが難しく、それぞれの工事店が責任を取れるように準備しておくことは、ほぼ無理なことなのです。

まとめ

分離発注は費用が下がるというメリットだけを見て、やってみるのはリスクが大きいです。
十分な準備と知識、手間をかける心構えが必要です。

しっかりデメリットも見つめて、選んでくださいね。

 

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この記事を書いた人
あさ(建築のプロ)

家を建てるって、とっても魅力的な仕事。住宅会社で設計と施工をメインに、20年以上注文住宅のお仕事をしています。
建築主さんと専門家は暮らしを一緒に造り上げていく仲間でもあると思うのです。だから、難しく見えることをできるだけやさしく、あなたにもお伝えしたい!と思っています。

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