家造りの基本専門家によるマイホーム作りの話

新築一戸建て。家を長持ちさせるにはどんな材質を選べばいい?プロが教えます。

※当ブログでは、記事内に広告が含まれています。

住宅の材料やそれに合わせたつくり方はいろいろあるのよね。
でも、どれがいいのか、どうやって比較したらいいのかな。

そうですよね。
いろいろな住宅があってそれぞれいいところがありそうですが、どんなポイントを比較するのかよくわからないですよね。

この記事ではそんなあなたに、住宅のつくり方別に性能からみた特徴をご紹介します。ぜひ参考になさってくださいね。

スポンサードリンク

住宅の種類

家を選ぶときに、どんなつくり方の家がどんな性能を持っているのでしょうか?知っておくと比較して選ぶことができますよね。

耐震性、防火性、防音性など、身近で重要な住宅の性能を、それぞれのつくり方でどう違うのか見ていきましょう。
住宅をつくり方でざっくり4種類に分けて、それぞれの特徴を。

1、木造軸組工法(在来工法)

最も一般的な建て方で、日本の一戸建て住宅の多くがこの工法で建てられています。
在来工法とも呼ばれて、最もなじみ深い作り方でしょう。木材を柱や梁(はり)に使い、筋かいなどの耐力壁を入れていきます。

日本の伝統的な建築の方法をベースにしています。ただし、現代では様々な性能に応えられるようになっていて、現場で施工するばらつきを少なくし、性能をアップさせる取り組みが行われています。

木造軸組工法の耐震性

建築法規だけをクリアする耐震性をもたせた場合は、4つの工法の中では弱いです。
ただし、耐力壁や接合金物など構造上の工夫を増やして、大規模地震に備える性能を持たせることが容易にできます。

木造軸組工法の防火性

主要な材料が木材なので、他の工法に比べると弱いです。
しかし、木材自体がむき出しになっていないものも多いですし、近年防火の工夫がされた材料が多く認定され、防火の性能も上がってきています。

木造軸組工法の防音性

これはあまり良くありません。主要材料の木材の軽さや軸組という構造上、振動が伝わりやすいのです。
家の中の音を完全に聞こえなくするには、かなりしっかりとした防音工事をする必要があります。

その他に

あれ、あんまりいいところがないじゃない、と言われてしまいそうですね。
この工法のいいところは、比較的安価で間取りの自由度が高く、材料の木のもたらす心地よさを日々味わえることです。

木材は湿気をとってくれたり、目に柔らかかったり。日本の気候に合った材料として、長く用いられてきた実績があります。

2、2×4工法(枠組壁工法)

アメリカ生まれで、世界中で作られる合理的な木造住宅です。枠組壁工法とも呼ばれます。
2×材と合板の決まった部材を使って、床と壁と屋根とを順番に組み上げていきます。近年は工場で作られたパネルを現場で組み上げる方法も多くなっています。工期が短いことも特徴です。

2×4工法の耐震性

建築法規だけをクリアする耐震性をもたせた場合は、どちらかというと弱いです。
ただし、耐力壁を増やしたり、接合部分、基礎など構造上の工夫を増やして大規模地震に備える性能を持たせることができます。

2×4工法の防火性

主要な材料が木材なので、他の工法に比べると弱いです。しかし、木材自体がむき出しになっていない場合が多いですし、近年防火の工夫がされた材料が多く認定され、防火の性能も上がってきています。

2×4工法の防音性

あまり良くありません。やはり木材の軽さや床を家全体で一体に作るという構造上、振動が伝わりやすいのです。家の中の音を完全に聞こえなくするには、かなりしっかりとした防音工事をする必要があります。

その他に

海外でも多く建てられている工法で、7階建てのビルなどもこの工法で建てられたことがあります。
日本に入った時に、しっかりとした法的な基準が設定されました。

スポンサードリンク

3、鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋を芯に入れ、まわりをコンクリートで固めて、壁や床を作っていく工法です。鉄筋とコンクリートがそれぞれのメリットデメリットを補い合うことで、頑丈な作りになります。
コンクリートを現場で打つ方法と、あらかじめ工場で作られたパーツを組み立てるプレキャスト造があります。

鉄筋コンクリート造の耐震性

4つの中では最も耐震性が高いと言えるでしょう。しっかりと施工されていれば、頑丈さはピカイチです。

鉄筋コンクリート造の防火性

主要構造がコンクリートですから、防火性にも優れています。鉄筋部分は熱に弱く伸びてしまう性質がありますが、コンクリートがそこまで熱を通さないのです。

鉄筋コンクリート造の防音性

防音性も高いです。コンクリートの壁も床も重いですから、振動を伝えにくいのです。
しかも壁や床を一体にしてコンクリートで固めますから、音は伝わらないわけです。

その他に

間取りも自由度が高いですが、費用が高くなります。また、コンクリートは数年かかって乾いていきますから、最初の数年は湿気対策と換気に注意する必要があります。
壁の厚さがかなり厚くなることも特徴です。可変性は少ないと言えるでしょう。

4、鉄骨造

鉄骨を柱や梁に使います。重量鉄骨、軽量鉄骨など鉄骨にもいろいろな種類があります。
一般的な住宅での鉄骨造は、軽量鉄骨であることが多いですよ。

鉄骨造の耐震性

耐震性は高いです。重量鉄骨の場合、接合部を固めたラーメン構造になっていて、柱や梁だけで支えています。耐震性をキープしながら、大きな開口部を設けることができます。

軽量鉄骨の場合は木造軸組構法と同じく、筋かいが必要になります。

鉄骨造の防火性

防火性に優れていますが、鉄骨は高温になると変形して弱くなるため、そうならないように断熱材などで包みます。

鉄骨造の防音性

軽量鉄骨の場合は、あまり高くありません。重量鉄骨の場合は、比較的高いですが、床、壁などに断熱材や遮音材を入れるなど、音を伝えない工夫をする必要があります。

その他に

主要構造部の鉄骨部分が熱を伝えやすいため、温まったり冷えたりしやすいので、断熱材で覆うなど対策をしておくことが必要です。結露の発生を防ぐわけですね。

住宅を長く使うには

最後に、長く快適に使う家とは具体的にどんな家なのでしょう。

一つ参考になるのは、「長期優良住宅」という認定制度。
20年30年の短期間ではなく、もっと長い期間、手入れをしながら大切に使いましょうという考え方から作られています。

劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、バリアフリー性、省エネルギー性、居住環境、住戸面積、維持保全計画について、一定の性能を持っているかをはかる認定制度です。

ちょっとわかりにくいですね。ざっくり言うと、

  • 地震に強く、長く強さをたもてる、しっかりした構造でつくる。
  • 新しく建てて住み始めた後も、維持管理やメンテナンスがしやすい。
  • 住み心地を考えて、バリアフリーや省エネルギーについても考えられている。

ということになります。

つくり方の種類が何であっても、維持管理がしやすかったり、リフォームする時に手を入れやすかったりすると、長い目で見た費用が抑えられるのでオススメです。

まとめ

耐震性などの住宅の性能は、「住宅性能表示」で等級として判定することができます。どのレベルなのかがわかるわけです。

災害への備えと日常生活を両立させることや、今の快適さと長い目で見た使い方。
ぜひ、いろいろな方向から考えてみてくださいね。

 

スポンサードリンク
この記事を書いた人
あさ(建築のプロ)

家を建てるって、とっても魅力的な仕事。住宅会社で設計と施工をメインに、20年以上注文住宅のお仕事をしています。
建築主さんと専門家は暮らしを一緒に造り上げていく仲間でもあると思うのです。だから、難しく見えることをできるだけやさしく、あなたにもお伝えしたい!と思っています。

あさ(建築のプロ)をフォローする
タイトルとURLをコピーしました